折箱の柄について
こんにちは、業務用テイクアウト容器通販サイト「折箱堂」スタッフの佐藤です。
皆さん、デパ地下の催事や、観光などのお出かけの際、折箱をつかったお弁当を買われる機会があると思います。
どれにしようかなと思う際、中身の他にも容器の柄模様に目がいくのではないでしょうか。
桜が咲いているから、ピンクがいいな!この模様かわいいから買っちゃおう!また、容器自他が折箱と気づかない模様柄・・・ということもあるかもしれませんね。
こんな風に、季節やその時のシチュエーションによって、お買い上げの際、柄模様は大きな役割を果たしております。
折箱の柄とイメージとしては、多少折箱についてご存知の方は杉柄をイメージする方が多いかと思いますが、実は様々な柄模様があります。また、食材を引き立てたり、中身を連想させたり、高級感を持たせるイメージなど様々な柄模様が増えてきております。
近年、折箱の材質が木材からプラスチックに移行してきており、様々な柄の折箱が生産できるようになってきています。折箱の柄については、最初に折箱の材料となる原反(げんたん)の説明をさせて頂くと分かりやすいかもしれませんね。そのあとで、いろいろな柄模様やその特徴を追ってご説明していきたいと思います。
目次
折箱の材料と原反について
折箱の柄に入る前に、まずは折箱がどんな材料でできているかについてまとめます。その次に柄について詳しくまとめていきます。なかなか知ることの無い折箱の柄についての内容となっておりますので、ぜひ最後までお読みいただければと思います。
折箱の原材料について
もともと折箱は、木材を原料として作られていました。ですので、柄と言っても、自然の素材そのものの柄が出ており、それ以外の柄はありませんでした。
しかし、折箱の材料が木材に加えて、紙やPSPを元に製造されるようになると、加工して柄を自由に印刷できる技術が発達していきました。現在の折箱の材料は、主にPSP(発泡ポリスチレン)が使われておりますので、今回はこのPSP製の折箱の柄について、まとめていきたいと思います。
PSP(発泡ポリスチレン)と言っても、皆さんには馴染みがないかと思いますので、どのように作られているかをまず書いておきたいと思います。
発泡スチレンシート工業会よりPSP(発泡ポリスチレン)の作り方を下記に引用します。
「PSPはポリスチレンと発泡剤を押出機に投入し、金型から出てきた筒状のもの(シートと呼びます)を半分に切り上シートと下シートを別々の巻取り機で巻取り、ロール状にして製品を作ります。」
引用:発泡スチレンシート工業会(https://www.jasfa.jp)
JASFA (JAPAN POLYSTYRENE FOAMED SHEET INDUSTRY ASSOCIATION)
折箱の側材となる原反
PSP(発泡ポリスチレン)のボードに更に柄模様のフィルムや紙シートを貼付けたり、直に柄を印刷したものを折箱業界にては原反(げんたん)と呼んでおります。
下記写真は、無地の原反と杉柄を印刷した原反です。
原反とは繊維産業での業界用語で「原材料としての反物(織物)」という意味です。
繊維以外でも巻物(まきもの)(紙やフィルム等)を原反と呼ばれております。確かに上でご説明したようにPSPの作り方自体が巻物のようですね。
折箱の材質や製造法に触れたところで、今度は柄について追っていきたいと思います。
折箱の柄について
大まかに分類しますと、原反の柄と言えば、もともと木製が主体でしたので、木の文化に即した「木目柄」や、日本の伝統の文化を模した「鼓柄」、「千扇柄」が流行りました。
最近は艶やかな「花柄」や「葉柄」など、多種多様になってきております。
それぞれの柄について、詳しくご説明していきます。
折箱の柄:木目柄
折箱で最も出回っている柄が、この杉柄です。
丸太の中心からずれてカットすると、年輪が並行ではなく山やたけのこ状の曲線模様が現れます。このような表面を「板目」と呼びます。この不規則の板目をリアルに再現しております。
(原反名:焼杉)
(原反名:多聞杉)
一般的には「板目」「柾目」模様の杉柄が、各原反メーカーにて多種多様に存在します。茶色ベースが基本ですが、白や赤、黒に木目を印刷したものも数多く存在します。
下記は赤や黒色のベースに木目を印刷した原反の例です。
(原反名:黒部赤)
(原反名:武蔵杉)
折箱の柄:竹柄
もともと、近年まで木の薄皮状のものや、天然の竹、わら等を使って、おにぎりやお肉などを携帯用に包んで使っておりました。折箱が普及してくると、竹柄は柄模様としても取り入れられております。
(原反名:竹皮)
(原反名:ごま竹)
折箱の柄:古典柄模様
古典柄とは、日本古来からの伝統の儀礼や芸能で用いられる文化を模した「鼓」や「扇」、「手鞠」などを使った柄の総称です。
伝統的でオーソドックスな古典柄は、独特の和の精神を伝える魅力あるもので、それぞれに深い意味、願い、思い、縁が込められております。
古典柄:鼓(つづみ)
(原反名:鼓)
「鼓」は祭や宴会などで楽しげな雰囲気から「美しい音色が鳴る」という意味と「見事な実がなる」という意味にかけて、「豊作」の願いが込められています。
こちらの原反の「鼓」には手毬や和歌も書き込まれていますね。
古典柄:扇(おうぎ)
(原反名:千扇)
儀礼や芸能で用いられる、扇(おうぎ)は末広がりの形から別名「末広」とも言われ、商売繁盛や子孫繁栄などの願いが込められて
います。
こちらの原反の「千扇」(ちせん)には色々な扇がちりばめられていますね。
古典柄:その他
他にも原反には、古典柄模様は多数存在します。折箱をお買い上げの際には細かく見て頂きますと色々な柄模様を見つけることができるかもしれませんね。
(原反名:手まり)
(原反名:出雲(いずも))
また、伝統の形状で、「雪輪」があります。春や秋と違って冬の柄模様は、なかなか浮かびにくいのですが、江戸時代に輪の周囲に数箇所、小さい円の切れ込みを入れて雪の結晶を意匠化したものが雪輪のはじまりとされています。
原反の「雪輪」では、輪郭の中に様々な模様を組み入れています。冬は寒く、厳しい時期と思われる方も多いかと思いますが、そのすぐ傍には暖かな春の風景が浮かんでる、待っていますよ。と感じますネ。
(原反名:雪輪(ゆきわ))
折箱の柄:伝統工芸柄
伝統工芸柄:根来(ねごろ)
(原反名:根来(ねごろ))
黒い原反と思いきや、赤いかすれた模様が所々に…あまり見慣れてないかもしれませんが、根来という言葉でピンと来た方もいらっしゃるかもしれませんね!
実は、この柄は朱塗りの器にかすりの黒模様が美しい伝統的な根来塗がベースになっています。
和歌山の根来寺で僧侶衆が寺用の膳や盆などを作っていたところ、失敗から黒模様が生じましたが、これがかえって趣あるものとされ、故意に作り出す技法に発展していきます。これが「根来塗」と称され、現在の原反柄としても贔屓されております。
伝統工芸柄:春慶
(原反名:茶春慶)
また、PSP製の折箱で、「春慶柄」がよく出てきますが、この柄は元々は漆塗りの「春慶塗」からきております。
春慶塗は表面上に漆を塗り、表面の木目の美しさを強調するようにしておりますが、原反の「春慶柄」は、木目を直線にして渋めの色合いで表現し、ロングセラーの原反として今日まで続いております。
折箱の柄:花柄模様・葉模様
季節を彩る上で、原反柄には、季節柄として花柄模様、葉模様が数多くあります。
季節柄:花柄模様
春といえば、初春の訪れを告げる「梅」、ひな祭りといえば「桃」、花見といえば「桜」でしょうか。実は、前に紹介しました「雪輪」には梅も描かれています。
(原反名:彩桃(あやもも))
(原反名:里山(さとやま))
(原反名:宝扇華(ほうせんか)ピンク)
(原反名:吉野ピンク)
「春 花見弁当」で画像検索しますと、ピンクが主体の花柄の折箱が沢山見受けられます。上記の原反を使った折箱も多数ございます。具材はもちろんですが、側模様を見比べてみても、春気分が味わえますね。
季節柄:葉模様
秋ですと葉模様で、橙や茶色や黒等をベースに紅葉やイチョウをデザインした原反が多いです。原反柄が葉模様になるだけで、一気に雰囲気が変わりますね。
秋といえば『紅葉狩り』ですが、デパ地下や催事で紅葉柄の折箱のお弁当を買うだけでもできるかも・・・?
(原反名:香嵐(こうらん))
(原反名:風雅(風雅))
(原反名:優美(ゆうび))
折箱の柄について、まとめ
今回は、折箱のさまざまな原反柄をご紹介させて頂きましたが、いかがだったでしょうか。
折箱の柄は、日本固有の木の文化、折箱の材料が木からPSP(発泡ポリスチレン)に移行しつつも、今なお木目柄が愛されています。
また、日本の伝統模様・鼓、扇、雪輪などの古典柄、つまり日本独特の縁起を担ぐ「吉祥文様(きっしょうもんよう)」も数多く取り入れられていることが見受けられます。
最近はテレビアニメの影響で、「市松模様」が流行っていますね!
こうしてご紹介してきた折箱の柄ですが、実際には、紹介しきれない原反柄がまだまだ沢山あります。この機会に日本固有の器である折箱の柄にも注目して頂ければ幸いです。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
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