折箱の仕切について
こんにちは、業務用テイクアウト容器通販サイト「折箱堂」スタッフの後藤です。
前回の記事(『折箱ってどのようにして作られているの?(組立編)』)では、折箱がどのようにして作られているかの解説をしてきましたが、「仕切」については軽く触れただけでしたので、今回の記事にてより詳しく解説していこうと思います。
「仕切」は、お弁当箱を構成する上でも重要な役割を担っており、特に折箱の仕切においては、ご希望の寸法に柔軟に対応できることが利点となっております。
また、組み合わせたり折り曲げたりすることで、多様な形状を作ることができるため、折箱により個性を持たせることができます。
そんな折箱の仕切について、今回はできるだけ多くのパターンを解説していきますので、気になった方はぜひ最後までお読みいただければ幸いです。
目次
折箱の仕切形状について
折箱の仕切には、側材と同じくPSP(発泡ポリスチレン)が使われております。
側材の色柄に合わせた仕切の色を選定できることはもちろん、組み合わせるための切り込みの寸法は、0.5mm単位で加工できるので、お客様のご希望に合わせた仕切のパターンをご提案することが可能となっております。
2仕切(斜め仕切)
切り込み加工がない棒状の仕切です。折箱の角で仕切を支えており、斜めに区切る形です。
3仕切(T字仕切)
長いほうの仕切の真ん中に切り込み1箇所のものと、短い仕切の端に切り込みを入れたものを組み合わせることで、T字型の仕切ができます。
3仕切(Y字仕切)
V字に折り曲がるよう加工されたものと、棒状の仕切を組み合わせることで、Y字型の仕切ができます。
3部屋を等分に区切れるため、六角形の折箱に適しております。
六角形の角と、V字仕切の真ん中で支えることで、仕切が倒れないよう固定しています。
変形3仕切
長い方の仕切の切り込み位置を変えることで、2部屋の寸法バランスを変えることができます。
このような仕切形状は、例えば「とんかつ弁当」など、主菜のボリュームがある食材におすすめです。
4仕切(十字仕切)
同寸法の仕切2本の真ん中に切り込みを入れたものを組み合わせることで十字の仕切ができます。
折箱におけるこのタイプの十字仕切は最もポピュラーで、「松花堂弁当」などでよく使われております。
さらに、区切られた部屋に中容器を入れると、より高級感を演出することができます。
仕切を少し長くして端を折箱の角に合わせると、斜めの十字仕切を作ることもできます。
変形4仕切
2本仕切のうち、1本の切り込み位置を変えることで、変形の十字仕切ができます。
また、長い仕切に切り込みを2箇所入れて、短い仕切を2本使用することで、違った形の変形4仕切となります。
変形4仕切は、狭い部屋に煮物やお漬物を盛り付けできる「幕の内弁当」などでよく選ばれております。
5仕切(井ゲタ仕切)
「井ゲタ」とは、「井戸の上部のふちを、漢字の井の字形に組んだ木の囲い」のことです。
見た目が井ゲタに似ていることから、通称「井ゲタ仕切」と呼ばれております。
真ん中の部屋の食材を周りの4部屋の食材で引き立てるような盛り付けができます。目を引くような見た目で、「駅弁」や「デパ地下」のお弁当でよく選ばれております。
変形5仕切
こちらは、V字仕切を使用して5部屋に分けております。
当店の「御膳折」がこのタイプの仕切形状となっております。
「仕出し弁当」や、「冠婚葬祭」用としてよく選ばれております。切り込み加工が無い仕切は、糊付けで固定することができます。
5仕切においても、仕切の組み合わせ方によって様々なタイプを作ることができます。
6仕切
切り込み加工2箇所の仕切1本と、切り込み加工1箇所の仕切2本を組み合わせることで、6つの部屋に区切ることができます。
このタイプの6仕切は、下図のような長方形の折箱でよく選ばれております。
通常の「お弁当」はもちろん、大福などの「和菓子」にも使いやすいかと思います。
8仕切
切り込み加工2箇所の仕切1本と、切り込み加工1箇所の仕切3本を組み合わせることで、8つの部屋に区切ることができます。
このタイプの8仕切は、下図のようなさらに細長い長方形の折箱でよく選ばれております。
「手毬寿司」や小ぶりな「和菓子」に適しています。
9仕切
切り込み加工2箇所の仕切を4本組み合わせることで、9部屋を作ることができます。
均等な9部屋の仕切は、比較的よく選ばれております。先述の8仕切のように、「手毬寿司」や「和菓子」はもちろん、「天むす」などで使われている例もございます。
また、「おせち」用の折箱においても、仕切や金色のカップなどを用いて9部屋に区切られていることが多いです。
当店の「【折箱】YB黒赤 6.5 本体(30個入り)」も、9個の金カップがセットされております。
もちろん、定番のお弁当容器としてもおすすめで、それぞれの部屋で個性を出す盛り付けができ、見た目を華やかに彩りやすい形状かと思います。
12仕切
切り込み加工3箇所の仕切2本と、切り込み加工2箇所の仕切3本を組み合わせることで、12部屋に区切ることができます。
16仕切
切り込み加工3箇所の仕切6本を組み合わせることで、16部屋に区切ることができます。
区切りが多く1部屋の寸法が小さくなってしまうため、入れる食材の大きさにもよりますが、16仕切ともなると折箱の寸法自体も大きなものとなってきます。
仕切糊付け
仕切が折箱の中で動いてほしくない場合や、そのまま入れると仕切が倒れてしまうような場合は、仕切の断面に糊を付けて底板と接着させることができます。
「ロールコーター」という機械を使用して、「ホットメルト」タイプの糊を仕切の断面に薄く塗布することで、糊のはみ出しを抑えてキレイな仕上がりとなります。
「ホットメルト」タイプの糊とは、高温で液状化し低温で固まる性質を持った糊です。
仕切溝付き
側材に仕切溝加工を施すことで、仕切を溝にはめ込んで固定することができます。
仕切を糊付けするのは手間もかかり、その分折箱の値段も上がってしまうため、仕切溝付きが選ばれることも多いです。
その他さまざまな色や形状の仕切
仕切に使われる色はベージュが一般的ではありますが、黒や赤の仕切もよく使われております。
また、側材が両面印刷されている場合は、同じ木目柄で仕切を作るとより見栄えが良くなりますよ。
こちらは、仕切りの棒にカールをかけたものを使用しております。
扇形上部の曲線になじむように、仕切も曲線を描くような形状を作ることもできます。
こちらは、5本の仕切を組み合わせて複雑な「変形11仕切」を作り出しています。
実際に工場で折箱を組み立てている従業員さんに話を聞いたところ、仕切を組み合わせて折箱に入れる際に、ベテランさんでも仕切を組むのが大変だとおっしゃっていました。
こちらは、多数の折り曲げ加工を施した仕切を2本合わせて、六角形の折箱の中に小さな六角形の部屋と周りに6部屋の「7仕切」を作り出しております。
こういった発想ができるのも、折箱やさんならではですね。
まとめ
今回は、折箱の仕切についてという内容でお話を進めてきましたが、いかがだったでしょうか。
皆さんが折箱について深く知っていただけることで、よりよい折箱選びができるのではないかと思っております。
仕切入りの折箱につきましては、折箱堂では既製品としての取り扱いが少ないため、ご希望の仕切形状をお求めの場合は、カスタムメイド、またはオーダーメイドによる方法をご提案いたします。
下記リンクにて、折箱のカスタムメイド、オーダーメイドの手順を紹介しておりますのでご参照願います。
折箱に詰める食材の配置と、全体のバランスや色合い等も含めてご相談いただければ、当店からもご希望に合わせたご提案ができるかと思います。
また、現在当店にて販売中の折箱に仕切を追加したい場合も、ご相談受け付けております。
→合わせて読みたい
折箱を別注でカスタムメイドする種類や方法について
折箱をオーダーメイドする方法やメリットとデメリットについて
折箱は、いつもとは違う特別感を演出するのに最適なアイテムになってくれることを信じて、折箱堂スタッフとしても、これからも様々な視点からのご紹介ができればと思っております。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。この記事が少しでもお役に立てれば幸いです!
折箱は、お弁当をより魅力的に彩る容器です。ぜひ、あなたのお店に最適なテイクアウト容器やお弁当容器を見つけてください。