折箱の材質について
こんにちは、業務用テイクアウト容器通販サイト「折箱堂」スタッフの後藤です。
お弁当やテイクアウト容器としてお馴染みの折箱ですが、どんな素材でできているか、皆さんはご存知でしょうか?
折箱に使われている材質を見ていくと、実は様々なものがあるんです。大まかには木製、紙製、プラスチック製です。これらに共通している特徴として、折箱の材質として相応しいのは、基本的には機械で加工して折り目が付けられるものということになります。
今回はこの3種類の折箱(木製、紙製、プラスチック製)を主に取り上げながら、「折箱の材質」に焦点を当てて説明していきます。
「折箱ってどんな材質を使って作られているんだろう?」というのが気になったあなた、ぜひこの記事を最後まで読んでみて下さい。
目次
折箱の材質は、主に3種類
折箱の材料としては、木製、紙製、プラスチック製と主に3種類となります。この章では、それぞれの材質ごとにご説明していきます。
木製の折箱
まず最初は、木製の折箱についてまとめていきます。
もともと古来から折箱の材料として使われてきたのは、日本の豊かな自然である森で育つ木材でした。折箱で主に使用されている木としては、杉・桐・ファルカタ・エゾ松等が挙げられます。
食品容器としての木の折箱は、通気性に優れ、吸水力・保湿力・防湿力が抜群で さらに木が本来もっている抗菌作用が食材の腐敗を遅らせるので、鮮度を保ち四季を通じて料理をおいしく安全に食べられるようにしてくれます。
木材の中でも、木の種類によって特徴がありますので、杉、桐、ファルカタ、エゾ松、それぞれの特徴や用途などを見ていきましょう。
<木製の折箱:杉>
杉は、古来より食品容器として利用されてきた代表的な木です。柾目が大変美しく軽くて通気性に富んでいます。独特の芳香があり天然の殺菌力に優れています。
用途…鯛のお頭、お赤飯等のお祝い料理、その他贈り物等にも使われています。
<木製の折箱:桐>
桐は、杉よりもさらに軽く光沢があります。また水や火に強く腐りにくい木です。掛け軸などの貴重品を保存する箱としても重宝されてきました。杉に比べて安価にて対応できます。
用途…和菓子、洋菓子、その他食材以外の贈り物等にも幅広く使われています。
上記は、4枚の板を継いでフレームを作ったもので、6mm程度の厚みがあります。
<木製の折箱:ファルカタ>
ファルカタは、主にジャワ島が産地であり、計画的に耕作植林されている木です。特徴としては白木材が多く軽くて柔らかく、桐よりも成長が早い木です。「杉マニ」と呼ばれる杉柄の紙を貼ったものや「ココウッド」と呼ばれる環境対応型木製容器もございます。
用途…おせち料理、お祝い料理や比較的安価なお弁当にも高級感を演出できます。
<木製の折箱:エゾ松>
こちらは、北海道産のエゾ松を原材料にした経木の折箱です。経木とは木を削り取った薄い板の事をいいます。もともと経木はお経を書き込んでいたというのが名前の由来で、後々に食品の包装材に使用されるようになりました。
「厚経木」と呼ばれる厚さ1mmのものを2枚貼り合わせた材料を加工した折箱も取扱っております。
用途…お寿司や和食のお料理のお持ち帰り用折箱に使用されています。
紙製の折箱
次に、紙製の折箱についてまとめていきます。
折箱で主に使用されている紙としては、「くるみ」と呼ばれる技法で作られる折箱やヘビーフレーム、特桐フレームといった材質があります。いずれもリサイクル古紙を主原料にしたものが主流となります。
<くるみ>
おせち料理に使われている紙製の容器は、この「くるみ」というタイプのものがほとんどです。「くるみ」という名前の由来は、紙をくるむようにして作られるところからきているようです。
図のイメージで、一枚の紙をくるむようにして折り曲げるという加工方法で折箱の「側」と呼ばれる材料を作っています。「側」とは折箱の側面に使われる材料です。この加工により、紙の厚みが約3mm程度になります。
本体には内枠がついており、そこに蓋を被せるといった形状が主です。「インローカブセ」とも呼ばれます。蓋の内側を見ると、側材の真ん中あたりに線が入っているように見える部分があります。これがくるみの図にある、端と端が合わさった部分となります。本体の方は、この部分が内枠で隠れるように作られています。
<ヘビーフレーム>
ヘビーフレームは、厚さ約2mm程度の木目柄の紙に折り目をつけて側材にしています。角のマチの部分を針金で留めるステッチャ方式やテープで留めるノンステッチャ方式があります。ヘビーフレームを使った折箱は、比較的安価でシンプルな形状が多いです。
用途…お寿司や和菓子等に使用されています。
<特桐フレーム>
特桐フレームは、厚さ約3mm程度の桐柄の紙に折り目をつけて側材にしています。ヘビーフレームと比べると高価となります。
用途…ギフト用等に使われています。
折箱を構成する材料としての紙は、側材以外でも底板や天板としても使われています。
側材が木製やプラスチック製で、底板が紙で構成されている折箱が今流通しているものの大半となっております。折箱は主に食材を入れる目的で作られているので、紙の表面にはフィルムを貼っていたり、グラシン加工等のバリア加工を施してあります。
プラスチック製(PSP製)の折箱
最後に、プラスチック製の折箱についてまとめていきます。
折箱で主に使われているプラスチックはPSP(発泡ポリスチレン)という材質です。その他、蓋には主にOPS(二軸延伸ポリスチレン)、中容器にはHIPS(ハイインパクトポリスチレン)といった材質が使われています。
ポリスチレンといっても種類は様々ですね。では、それぞれの特徴を見ていきましょう。
<PSP(発泡ポリスチレン)製の折箱>
現在の折箱の大半を占めるのが、このPSPを使った折箱です。PSPは、ポリスチレンを発泡させた素材です。加工性が良く、カッターナイフ等でも簡単にカットできます。
厚みは主に3.5mmまたは5.0mmが主流です。柄模様もたくさんございます。耐熱温度80℃(電子レンジ不可)です。PSPは折箱の側材、底板、蓋板、仕切等幅広く使用されております。
<OPS(二輪延伸ポリスチレン)製の折箱>
ポリスチレンを縦横二方向に延伸した素材です。 耐熱温度80℃(電子レンジ不可)です。透明性が良く、主に蓋で使用されています。食材の熱で蓋が曇るのを防ぐための防曇(ぼうどん)加工もしてあります。上の画像で使われている透明蓋はOPS素材となります。
<HIPS(ハイインパクトポリスチレン)製の折箱>
耐衝撃性のあるポリスチレンです。 耐熱温度80℃(電子レンジ不可)です。主に中容器で使用されています。この画像で使われている赤い中容器がHIPS素材となります。
こう見ていくと、折箱で主に使用されているプラスチックの材質は、基本的に熱には弱いという弱点があります。ただ、プラスチック(PSP)製の折箱に詰められたお弁当は、その見た目で人を惹きつけ、食べると普段とは違う特別な感じがしますよね。
私も旅行で新幹線に乗ったりするときは、必ずといっていいほどPSP折箱に詰められた駅弁を買ってしまいます。移動中など、温めなくても楽しめるお弁当には、このプラスチック製の折箱がもってこいですね。
材質によって折箱を使い分ける
ここまで、折箱の3種類の材質をまとめてきました。気になるのは、それぞれの材質ごとの価格の違いではないかと思います。
木製、紙製、プラスチック製の折箱の価格を比較した場合、価格的には木製>紙製>プラスチック製となります。木製や紙製の折箱は、価格も高いため、高価格帯のおせち料理等に使われることが多い印象です。
ただ、今現在の折箱の主流はプラスチック製となっているように感じます。それは、折箱として価格も安価である点はもちろんですが、それプラス、ちょっとした見た目の高級感を演出できる上、豊富な柄によるバリエーションの多さも関係しているのではないかと思います。
ぜひ用途によって材質を使い分けてみてくださいね。
折箱の材質について、まとめ
今回は「折箱の材質」に焦点を当てて説明してきましたがいかがだったでしょうか?今現在、様々な材質の折箱容器が開発、製造されており、そこには機能性を備えた便利なものも存在します。
しかし、そもそもなぜ人は時に折箱を選ぶのでしょうか?その答えとなるところに、折箱の良さというものがあるように思います。
折箱に詰められたお弁当、重箱に詰められたおせち料理、桐箱に詰められた贈り物…どれも特別で、それを食べる人、貰う人は心ウキウキしますよね。
ちょっとした「非日常」を演出できるのが、こういった材質から作られる折箱であると思います。今回の記事で、皆様に少しでも折箱について知ってもらい、興味を持って頂ければ嬉しいです。最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
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