折箱堂でラインアップされている折箱の柄のご紹介(和柄編)
こんにちは、テイクアウト容器通販サイト「折箱堂」スタッフの佐藤です。
前回、折箱堂でラインアップされている柄で木目柄のご紹介をさせて頂きましたが、今回は、日本で古来より受け継がれている「和柄」についてお話ししたいと思います。
「和柄」という言葉だけではピンと来ないかもしれませんが、着物・浴衣や手ぬぐい、ふすまや食器など日常の身近なところで使われており、特におめでたい図柄を「吉祥文様(きっしょうもんよう)」と言います。身近過ぎて気が付かないかもしれませんね。
実は折箱でも結構、和柄が使われております。松花堂弁当、幕の内弁当、ハレの日に頂く行事食など、和の料理を頂く際に、柄もコーディネイトで和柄が使われていることが多いかと思います。
2022年8月現在弊社で取り扱っている折箱の和柄は7種類です。全商品の三割ぐらいです。
鼓 (つづみ)・・・5アイテム
千扇(ちせん)・・・2アイテム
秋千扇(あきちせん)1アイテム
東雲(しののめ)・・4アイテム
歌仙(かせん)・・・3アイテム
飛白(かすり)・・・2アイテム
根来(ねごろ)・・・2アイテム
上記の「和柄」名は、日常ではあまり聞きなれない言葉もあるかもしれませんが、それぞれ「和」の響きを感じますね。
このブログでは、折箱堂でラインアップされている「和柄」についてご紹介いたします。伝統的な和柄の由来や特徴などを調べてまとめてみました。その魅力をうまく伝えることができたら幸いです。また、折箱を選ぶ際に和柄を気に留めて頂ければなお嬉しいです。
あわせて読みたい
→「折箱の柄について」(折箱の柄全体についてまとめた記事となります。)
→「折箱堂にラインアップされている折箱の柄のご紹介(木目柄編)」
目次
折箱の「和柄」の由来
折箱の「原反(げんたん)」とは、着物で例えると反物
折箱の側材となる「原反(げんたん)」は、「原材料としての反物(織物)」という意味です。着物で例えるならば、反物のようなものと言えるでしょう。
反物メーカーと折箱の柄を印刷する製紙メーカーとのご縁により、原反に貼るフィルムの柄として和柄が登場するようになったと思われます。
「和柄」とは
和柄とは、古来から日本人に親しまれてきた植物や道具、風景を模様として表現したものです。
花で言えば、「桜」、「梅」、「牡丹」等、縁起物としては「扇」、「手毬」等、変わったものでは、写真にある牛車の車輪をかたどった「源氏車」(げんじぐるま)等があり、それぞれの文様に願いや意味が込められています。
和柄に使われる幾何学文様
幾何学文様も数多くありますが、少しだけご紹介したいと思います。
三崩し(さんくずし)
「算木」と呼ばれる計算器具を三本ずつ縦横に石畳のように並べた文様
青海波(せいがいは)
半円を重ねて波をイメージした文様
七宝ツナギ(しっぽうつなぎ)
円を4分の1ずつ重ねて連続させて組み合わせた文様
工字ツナギ(こうじつなぎ)
「工」という字を互い違いにつなげた文様
このような幾何学文様は、折箱の原反柄の中に小さく織り込まれていることが多いので、機会があれば探してみてください。
折箱の「和柄」の紹介
「鼓(つづみ)」
「鼓」は祭や宴会などで楽しげな雰囲気から「美しい音色が鳴る」という意味と「見事な実がなる」という意味にかけて、「豊作」の願いが込められています。よく見ると、手毬や連歌・俳諧、花々もきらびやかに配置されていますね。
この柄は1990年代後半、某コンビニエンスストアが、有名料理人の監修を受け、特別なお弁当を販売する際に登場したとされております。そのため、きらびやかな原反柄として大いに認知され、現在も多くの折箱に使われております。
「千扇(ちせん)」
扇(おうぎ)は末広がりの形から別名「末広」とも言われ、商売繁盛や子孫繁栄などの願いが込められています。更に紫色が高貴なイメージを醸し出していますね。
千の扇で「ちせん」と呼びますが、千をつけることで、数多く、末永くと強調されています。また、閉じている扇をよく拝見しますと、平安の時代から服飾品として用いられている「檜扇」(ひおうぎ)ですね。
「秋千扇(あきちせん)」
千扇の色彩違いの原反です。千扇は紫が主体ですが、秋千扇は、ベージュに赤や黄色が映えますね。
「東雲(しののめ)」
東雲とは、東の空が明るくなる頃。つまり夜明けの事です。漢字で「東雲」と書くのは、東の空の意味からの当て字で、語源は「篠の目(しののめ)」であると言われています。
古代の住居では、明かり取りの役目をしていた粗い網目の部分を「目(め)」と言いました。目の材料には篠竹が使われていたため、それを「篠の目」と呼び、のちに明かり取りそのものを「篠の目」と呼ぶようになったとの事です。
柄模様自体は、「道長取り」を取り入れています。道長取りとは、平安時代の公卿、藤原道長が好んだ模様で、色・柄の違う模様の和紙(継ぎ紙)をちぎって貼り合わせたような構図です。境目の曲線や折れ線の美しさが、夜明けの薄明かりそのものですね。
「哥仙(かせん)」
哥仙柄は、連歌・俳諧をあしらった原反です。
どんな句を載せているかとの問い合わせがあるそうです。意味が分かってしまうと、使用事例が限定されてしまうので、原反メーカーとしては、巧くぼかして、わからないようにしています。「あくまで柄として見てください。」との事です。
下地は「東雲」同様「道長取り」で、うっすらと幾何学模様「工字ツナギ」の文様等が描かれていますね。
「飛白(かすり)」
かすり(絣)とは、「飛白」とも表記されます。織る前にあらかじめ仕様にしたがって染め分けた糸(絣糸)を用いて織り上げたもので、染め残った部分が模様として残り、絣文様とよばれております。模様が“かすれた”ように見えるのが語源ですね。
ちなみに筆(刷毛)でかすれ書きにした書体を「飛白」と書いて「ひはく」と呼びます。原反の命名でこちらの漢字を採用したのは考えていますね。
この柄自体は、線が端にいくほど細くかすれていく感じですが、デザイン的にみると、どちらかというと「ふすま紙」に用いられる「霞(かすみ)」の模様に似ています。家にふすまがある方、チェックですね。
「根来(ねごろ)」
黒い原反と思いきや、赤いかすれた模様が所々にあります。これは伝統的な根来塗がベースになっております。文様というより、伝統工芸柄になりますが、前にお話ししたかすり(飛白)と意図が同じですので、ここで改めて紹介いたしました。
折箱堂でラインアップされている柄のご紹介(和柄)、まとめ
この記事では、折箱堂で使われている和柄7種類を、弊社製品を交えて説明させて頂きました。おさらいしますと、
鼓…………鼓から「豊作」の願い。手毬や連歌・俳諧、花々もありきらびやか。
千扇………扇から「末広」の願い。紫で高貴を演出。
秋千扇……千扇の色彩違い
東雲………「道長取り」で夜明けの薄明りを演出
歌仙………「道長取り」を下地に連歌・俳諧
飛白………「かすれ」で演出。霞模様。
根来………「かすれ」が際立った根来塗がベース
そういえば少し前になりますが、次男坊成人式の時、次男がお話ししている美しい振袖を着た女性達、あら、よく見ると同じ柔道部だった女子部員!今思えば「和柄」で美しさをより引き立てていたのかもしれませんね。
テイクアウト容器として折箱を選ぶ際、このブログが少しでも参考になればうれしいです。最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。この記事が少しでもお役に立てれば幸いです!
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