おせち用の折箱にも使われるファルカタ材とは?
こんにちは、業務用テイクアウト容器通販サイト「折箱堂」スタッフの後藤です。
早速ですが、折箱の材料として見かけることのある「ファルカタ」とはどのようなものかご存じでしょうか?
おそらく、普段の生活ではなかなか聞き慣れない言葉かもしれませんね。
私もこの折箱業界に入るまでは全然知らなかったのですが、「ファルカタ」とは東南アジアのマメ科の植物のことで、木ではないのですが、まるで木のような見た目と質感を持っています。
実は、この「ファルカタ」という材料を使って、世の中では様々な製品が作られております。
その中の1つに食品容器がございます。
今回は「おせち用の折箱」などの食品容器にも使われているファルカタ材について特徴や魅力を解説、という内容で解説を進めていきます。ぜひ最後までお読みいただければ幸いです。
目次
折箱にも使われるファルカタ材とは?
「ファルカタ」とは、東南アジアのマメ科の植物のことです。
別名を、バタイ、モルッカンソウ、センゴンラウトとも呼ばれており、植林されたものが世界に出回っているため、「ファルカタ材」は、誰でも簡単に購入することができます。
ファルカタはその見た目からも「木」にしか見えないのですが、マメ科の植物ということもあって実は「草」なのです。
ただ、質感自体も「木」そのものですから、世の中ではファルカタを「木」と認識されている方がほとんどではないでしょうか。
ファルカタが植林されて世界中で販売されている背景としましては、ファルカタの成長速度が早いことが挙げられます。
成長速度はその木によって様々ですが、ファルカタはその中でも特に早く、5年~7年ほどで伐採されてすぐに出荷されるので、ホームセンターなどで安価にて購入することができます。
こういった理由から、DIYでも扱いやすい素材ですので、現在においてもファルカタの需要はますます高まってきております。
ファルカタ材の特徴や魅力、注意点について
ファルカタの原木から切り出した材料を「ファルカタ材」と呼んでいます。
この「ファルカタ材」を様々な形に加工して組み合わせたりすることで、私たちが日々の生活で使用している製品が出来上がっております。
ここでは、そんなファルカタ材の特徴について解説していきます。
ファルカタ材の特徴や魅力
(ファルカタ材の特徴)
- 軽くて柔らかい
- 白っぽくて明るい色
- 変色しにくい
- 木目が強くない
- エコ素材としても注目
- 耐久性は低め
- 湿気を吸着しやすい
- 無垢材が少ない
まず、大きな特徴としては、軽くて柔らかいという点があります。つまりは、とても加工がしやすいのです。
また、軽いということから加工した製品のサイズが大きくなっても扱いやすいのは大きなメリットですね。
次に、白っぽくて明るい色であるということから、「桐」とよく似ていて、桐の代用品としてもよく使われております。
桐においては、時間が経つにつれてだんだんと茶色っぽく変色してくるのですが、こちらのファルカタ、変色しにくいという特徴もあって長い期間明るい色合いを保つことができます。
また、もともとの素材が白っぽいので着色しやすいというメリットもございます。
ファルカタがエコ素材として注目されている理由として点は、土に還りやすいという点にありまところです。
通常の木材は燃やして処分されますが、ファルカタは地面に埋めてしまうだけで良く、CO2排出削減の効果が期待できる素材です。
ファルカタ材の無垢材は少ないのですが、「無垢材」とは1本の丸太から切り出した木材のことで、接着剤が使われていないのが特徴です。
逆に、断面寸法の小さい木材を接着剤で再構成して作られる木材を「集成材」と呼んでいます。
つまり、ファルカタ材の多くは集成材ということですね。無垢材の方が木本来の温もりや香りを楽しめるのですが、集成材の方が強度面や品質面では優れております。
ファルカタ材を使用するときの注意点
ファルカタは、木目が強くありません。そのため、高級なタンスやテーブルなど、厳かな雰囲気を出したい場合には不向きです。ライトな雰囲気のものに使用するのがおすすめです。
耐久性が低いという点においては、軽くて柔らかいという性質であることから、ぶつけた時にへこみやすい等はあるかと思います。
また、切ったり削ったりという加工はしやすい反面、釘打ちやネジ止めの際に割れやすいなど、部材を合わせて組み立てる際には注意が必要です。
ファルカタは、他の木材と比べても比重が軽く、湿気を吸収しやすいという特徴がございます。
保管状態が悪いと腐りやすいので、長期保管の場合は湿気対策を行ってください。
ファルカタ材を使用した食品容器のご紹介
ここでは、ファルカタ材を使用した食品容器をご紹介いたします。
上の画像は、ファルカタ材を使用したエコ容器ですね。ファルカタは、厳密には草とはいえ見た目はもう完全に木の容器ですね。
その他形状としましては、やはり「ギフト用」や「おせち用」の容器として使われるパターンが主流となります。
当店でも、ファルカタ材のおせち容器を販売しておりますのでご紹介いたします。
【おせち用木箱】ファルカタ6.5寸2段(6セット入
【おせち用木箱】ファルカタ7寸2段(6セット入)
当店では、おせち用の容器として同寸法の「桐」タイプもご用意しております。
桐やファルカタの特徴によって容器をお選びいただければと思います。
桐は、木目がくっきり出ていて少し重みもあり高級感をより感じることができる仕様となっております。
ただし、「桐」タイプの折箱は、少し茶色がかっており、長期間保存する場合にはさらなる変色に気を付けていただく必要があるため、できればご購入後、お早めにお使いいただくことを推奨しております。
「ファルカタ」タイプの折箱に関しましては、より白色を感じられるかと思います。「桐」タイプよりも少し軽く、木目は弱いです。
「ファルカタ」タイプの折箱は、変色しにくいので、長期保管となっても色の状態をキープしやすいかと思います。見た目の高級感に関しても、桐と遜色ないかと思います。
こちらは、売り切り商品の杉マニA8寸折という折箱です。
側面に使われている素材が「ファルカタ」ですのでご紹介いたします。
木目を見せるために、ファルカタの上に木目柄の紙を貼っています。このタイプの容器は慶事によく使われております。
【売り切り商品】杉マニB8寸折(20個入)
【売り切り商品】杉マニB7.5寸折(20個入)
こちらも、杉マニタイプの売り切り商品の折箱です。
側面に「ファルカタ」材を使用した慶事用の商品です。
寸法は、8寸サイズと7.5寸サイズがございます。
上記杉マニA8寸と比較して異なる箇所は、側材の固定に針金を用いていないことと、貼っている木目の紙色の違い、足グリの形状も少し異なっています。
ちょっとした豆知識ですが、杉マニA8寸折の足グリ形状は「ヘソ付きカエル足」と呼ばれ、こちらBタイプの足グリ形状は「もっこ足」とよばれております。
まとめ
今回は、おせち用の折箱にも使用されている「ファルカタ材」についてお話を進めてきましたがいかがだったでしょうか。
近年、脱プラが騒がれるようになり、様々な製品がプラスチックから紙や木などに変更される事例もございました。
折箱においても、現在はPSPというプラスチック素材が主流ではありますが、こうして紙や木の製品を取り扱いながら普及させていくことで、脱プラに貢献できればと考えております。
中でも、今回紹介したファルカタは、土に還るという性質を持つことから、脱プラ及びCO2削減を期待できる素材として今後さらに注目していきたいと思います。
そういえば、最近とあるコーヒーショップが紙ストローを廃止してバイオマスプラスチックのストローに変更するというニュースがあったのですが、
単純にプラスチックをなくしていくという考え方ではなく、環境に対応できるプラスチックにしていこうという考え方には感心させられました。
やはり、プラスチックは他の材料に比べて群を抜いて使い心地が良いので、これから先は紙や木の製品も普及しつつ、プラスチックも環境を考慮しながら共存できる未来があるのがいいと思います。
もちろん、今回紹介したファルカタの容器、プラスチック製には出せない高級感を感じられるものですので、ぜひ用途に応じてお選びいただければと思います。
折箱は、いつもとは違う特別感を演出するのに最適なアイテムになってくれることを信じて、折箱堂スタッフとしても、これからも様々な視点からのご紹介ができればと思っております。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。この記事が少しでもお役に立てれば幸いです!
折箱は、お弁当をより魅力的に彩る容器です。ぜひ、あなたのお店に最適なテイクアウト容器やお弁当容器を見つけてください。